相手に技を掛けるときの良くある間違い。

天神明進流柔術

相手に技を掛けるとき、大抵の人が思うのは、

「相手の軸に対して技を掛ける」とか「相手の中心軸を攻める」とか「相手の体幹に技を掛ける」と言ったものです。

これらは、太極拳的に言えば、そしてやわらの技としていえば、全て間違いです。

やってはいけない、ということで、「ダメ。ゼッタイ!」というわけです(笑)。

相手の中心軸やどこの軸でもそうですが、体幹に向かって掛ける事とは、考え方として同じものです。

結局は、相手の一番強いところへ向かって技を掛けていることに変わりはありません。

相手の強い部分に向かっていくのですから、どんなに柔らかく、どんなに上手くやったところで、必ず自分の力とぶつかり、大きな力感を生じます。

これは相手に対しても同じように力感が生じているということです。

力感があるのに、そのまま技を遂行したところで、ますます力が増大し、もはや技は掛かりません。もちろん「やわら」でなくなります。

例えば以前紹介したこの動画↓

「千斤圧梁」という名前から、とても強い力が出ているように思いますが、力感としてはほとんどありません。相手も力感を感じません。だから掛かります。

エネルギー的には、かなり大きなものだと思いますが、力感を感じないのですから、力が要らない、という事です。

相手の稽古生は、元ラガーマンで私よりも体重が重く力も強いので、私の力ごときでは勝てません。

相手の軸を攻めない、体幹を攻めに行かないから、技が掛かるのです。

また、この動画もそうです↓

この技で良くある一番の間違いは、

相手を自分の左腿と左肘で挟む(太極拳では列といいます)ことで、相手を崩し倒す、というものです。

これを防ぐ方法は簡単で、右足に体重を乗せれば(出来れば右弓歩になる)、大抵掛かりません。

もしくは相手の左肘を押さえてしまうことです(詳しくは割愛します)。

やってみるとわかりますが、腿と肘ではさんだところで、結局は相手の中心軸か、もしくは体のどこかに出来た軸を崩そうとしているので、相手の力とぶつかるわけですから、必ず力感が生じます。

力感が生じれば、相手はそれを拠り所として抵抗しますので、無理やり力で掛けるか、もしくは全く掛からないかのどちらかです。

たとえ無理やり力で掛けたとしても、それには条件があります。

一つは、相手の方が身体が大きいこと、もう一つは、相手の方が体重が重いこと、です。

単なる物理的な条件だけです。技は関係ありません。でかいほうが覆いかぶされる、重いほうがより重量を掛けられる、ただそれだけです。

掛かれば良い、という発想もありますが、もし自分が力も弱く、相手よりも体が小さいのであれば、掛からない技を習ったところで、全く価値はないでしょう。

当会の方法は、太極拳の理論がベースになっているため、当然のことながら、相手の軸を攻めたり、体幹を攻めたりしません。

柔術系の技は、太極拳に限らず同じ理論であると、私の師匠はおっしゃっていましたし、私も実感としてそうであると思っています。

ですが、柔術系の技を説明するとき、いくつかの理論が複合的に組み合わさらないと、説明が出来ません。

出来てしまえば、こんな感じです、で終わりですが、解説は理論的でなければなりません。

理論的であるということは、再現性があるということです。

つまり、教えれば誰でも出来るようになる、ということです。

もちろん、理解し体得するまでには時間が掛かると思いますが・・・。

理論も無く、わけもわからず、ただ闇雲に頑張るよりは、はるかに建設的であると思います。

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