体を緩める(力を抜く)ということ。

太極拳の健康に関する研究論文 記事

昨日、厚木教室の練習日でしたが、50代主婦が無料体験に来られました。

その方が何度も「力を抜くっていうのが難しい・・・」とおっしゃられていました。

これは仕方ないことだと思います。

少なくとも、私たちの受けた学校の体育教育では、力を入れることを教わりますが、力を抜くことを教わりません。

力を入れることに関しては、ほとんどの体育種目がそうでしょう。

準備体操も力を入れて行いますよね。

学校で教える「力を入れる」ということは、筋肉を強く収縮させることに他ありません。

何をするにも、筋肉を強く収縮させて、どれだけ強い力を得られるか、を目指しているともいえます。

逆に太極拳では、入れた力をどのようにして抜いていくか、を考えます。

例えば、少林拳やおおよそほとんどの武術では、定式で発勁します。分かりやすいところでいえば、空手がそうです。

前屈立ちで突く、猫足立ちで手刀受けをする、前蹴りをする、これらの動作を全て架式を安定させて力強く素早い動作で行います。

太極拳では、もちろん(広い意味で)こういった動作もしますが、例えば、前屈立ちで突いた後、次の動作に移るときの過程すら技にします。

空手ではそういったことがありません。前屈立ちで突いた後では、直ぐに次の動作へと素早く移行します。

移行するときの動作は次の動作の為のいわゆる準備動作か、「タメ」になっています。

前屈立ちで突きを打ち、また一歩進んで前屈立ちで突く、と言った場合、最初の前屈立ちから次の前屈立ちへと移行するその動作は、次の動作を素早く行う為の動作にしかなっていない、ということです。

太極拳は、この移行するときの動作も技にしているのです。

たとえばですが、突きを打った、とすれば、腕は前方に伸ばしている形をとっています。

空手ではその腕を素早く戻したり、受けに変化させたりします。

ですが、太極拳では以下のように考えます。

腕は前方に伸びているのですから、既に力を入れて前方に伸ばしているということですので、この力を抜いていくことで、腕を動かすことが出来る、と考えます

その力の抜き加減や、体の向く方向、体勢などで、腕の動きをコントロールします。

通常なら、力を入れていく過程で何かをしようとするところ、入れた力を抜いていくことでも何かしようとするところが、面白いところです。

ですので、太極拳の頭套拳は、ゆっくりと行うわけです。

定式、についても、他の武術とは大きく異なります。

少林拳系、空手系などでは、定式が「突き終わったとき」「蹴り終わったとき」「受けをしているとき」「残心、構え」などです。

太極拳の定式とは、動作の途中、です。何かをし終わったときではありません(全ての定式がそうではありません)。動いている途中経過のところを定式としている場合がほとんどです。

ここもまた面白いところですね。

初心者では、こういったことは全く分からないところではありますが、少なくとも、当会に来られている練習生には、私がしっかりと教えていきますので、やっていくうちに分かってくると思います。

そのうち、筋肉を強く収縮させて力を入れなくても、大丈夫なんだ、ということが分かってくるでしょう。

いや、もしかしたら、分からないかも知れませんが・・・。

分かるまで、結構時間が掛かります。

だから、武術として太極拳をやろうって人は、直ぐに辞めてしまうのでしょうね。

分からないですし、体の使い方が間逆ですから。

私も沖縄空手をやっていましたので、ここまで分かるのに5年くらい掛かっています。

これが長いのか、短いのかは、人それぞれでしょうけど。

 

 

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