鋭貫道の間合いについて

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空手やムエタイ、ボクシング、少林寺拳法やほとんどの中国武術等の立ち技系の武術では、腕を伸ばしきった拳の届く範囲内で狙い打ちをしますが、鋭貫道ではそのように戦いません。

鋭貫道の間合いは大変近いです。

一番近いと、肩での打撃で相手を崩したりします。
肘打ちも多用します。肘打ちは一発入れば一撃必殺となる打撃です。ですので鋭貫道ではこの距離での技が多いです。
また寸打(すんだ)と言って、腕を伸ばしきって相手に拳を付けた状態で打ち込む打撃があります。
寸打で相手を沈めるというよりは、2〜3回連打して相手を崩すのに使います。次の技に入る為の前振りです。

とにかくどうにかして相手の懐の中へ入って攻撃を行い、出来れば1発、多くて2〜3発で相手を動けなくさせる、もしくは次の技に繋げ、確実に仕留める技を行使し動けなくさせる、こんな感じで戦術を組み立てていきます。

ですから相手の懐に入る為の技や、相手の懐に入った後の技を、普段の稽古でしっかりと身に付けて行かなければなりません。

相手の懐に入った後の打撃で最も有効な打撃の手段は、肘打ちです。
これなら、非力であっても、体力があまり無くても、女性であっても、拳を鍛えなくても、筋トレをしなくても、一撃必殺の強い打撃を打てるようになります。

そういえば以前、「肘打ちの間合いで戦うことなんてほとんど無い。肘打ちの距離に入られる前に打撃で倒すよ。」と言われた事がありました。
実際私も同じように思っていた時期がありましたが、師匠はいとも簡単に間合いに入って来ました。
この間合いの詰め方はとても合理的なものでした。相手の懐に入る為の方法が戦術としてちゃんとある訳ですね。

「肘打ちの距離に入られる前に打撃で倒せるから大丈夫。」と言うのは試合だからかな?と思いますが、そう思っていただけるほうが、こちらとしては都合が良いと言う事で…。