今更ですが、私が継いだこの流派は鋭貫道と称します。
読んで字のごとく「鋭く貫く道」です。
ちょうど数学の「a<b<c」のように見えますが、単なる偶然です(笑)
さて、この字面を見ると、鋭く貫くような打撃が主体となっている、と分かります。鋭貫道は打撃の武術です。この武術の特性をよく表している名前だと私も思います。
以前の投稿でも書きましたが、鋭貫道では突きは寸勁、肘打ちも多用、肩での打撃もします。これらは接近戦での打撃ですが、遠間からの突きももちろんあります。突きだけでなく蹴りももちろんあります。
間合いに入ったら、1〜2発で相手を沈めたいと考えています。ですので威力が大事です。これらの打撃は全て武器と考えて徹底的に鍛えます。空手家の突きや、ボクサーのパンチと同様です。突き一つ、肘打ち一つの使い方や威力等、日々の稽古によって自らに仕込んでいきます。
刀でも銃でも使い方を知らなくては、持っていてもいざという時に使えません。そして何より、刀は斬れなくてはなりませんし、銃は殺傷力を持っていなければ意味がありません。
つまり、打撃においては、威力がなければ何の意味も無いわけです。
威力のある打撃が打てる、的確に急所を狙える、そこまで出来たら、あとはどうやって相手の意識のないところに打ち込めるか?とか、タイミングの問題という事になります。
ここまではある程度出来るように、普段から稽古しておく訳ですね。
さて、威力は大事という話でしたが、こんな例外もあります。
かなり前の話ですが、ボブ・サップという格闘家がいました。胸板も腕周りもかなりの筋肉量で、まるでドラゴンボールやベルセルクに出てくるキャラクターのような凄い身体を持っていました。
体重は160kgもあり、二の腕が相手の太腿以上もある驚異的な太さです。
これほどの大男が突進して来て、力任せに腕を振り回せば、それだけでとてつもない破壊力を持っています。
実際の試合では、スタミナがあまり無い為、試合が長引くと最後の方でやられてしまうのですが、それでも名だたる強豪選手をかなり苦しめていました。
彼のように、これだけケタ違いの身体だと、私たちの出来る打撃を普通に喰らわせても全く刃が立たないでしょう。腕や体がデカすぎて関節技も無理です。実戦においてはもちろん急所狙いですが、それでも難しい相手でしょう。
どうやって戦えば良いのか、直ぐには思いつきません…。
まあこれは極端な例でしょうが、身体の大きな相手を想定して、どうすればよいか?は常に妄想してます。一応、ですが、師匠からはどうすればよいか聞いていますので、知識としては持っています。
ですが、まずはとにかく逃げる、ですね。