鋭貫道の肘打ち:寸勁と同じ身体操作

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鋭貫道の肘打ちの超ショート動画です。

まずは動画をご覧下さい。

いきなり三連打を行っております。

動画内の「縦、横」というのは、肘打ちの軌道の事です。

横で打つ時は、相手胸あたりとか、うまくすれば顔に当てられるかも知れません。

縦の肘打ちは鎖骨を狙っています。

肘打ちですから、どこに当たってもダメージを与えられます。ですが決定的な致命傷にはなかなかなりません。

しかし縦軌道での肘打ちで鎖骨を狙えば、一発で折ることが出来ます。もし折れれば折れた側の腕は動かせなくなります。相手に取っては大ダメージです。

また折れなくても、ヒビが入ったりするだけでも腕が上手く使えなくなります。

近接間合いでの攻撃として、肘打ちは効果的ですし、特に縦軌道の肘打ちは、拳による突きよりもかなり大きな破壊力があると思います。

さらに肘打ちは、単発ではなく連打で使用します。

しかもこの動画のように、横→縦→横とか、縦→横→縦などのように軌道を変えることによって、相手は防ぎづらくなり、三回連打される事で防戦一方になります。

たとえ腕でガード出来たとしても、肘打ちを受け止めるには少し強度が足りず、三連打されるとガードしている腕そのものがやられてしまいます。

さて、鋭貫道のこの肘打ちは、他流派とは違う打ち方をしていると思っています。

その身体操作は、鋭貫道の寸勁と全く一緒です。ではその解説です。

通常肘打ちを行った場合、打つ側と反対の腕は、逆方向に伸ばしたり、肘を張ったり突き出したり、そんな感じになると思います。

動画で私は右肘で打っています。反対の左肘も同様に前側へ持って行き、背中が丸まっている様子が分かると思います。

つまり両肘を前に出して相手に覆いかぶさるような感じにしながら右肘で打っている訳です。

身体の中心軸で回転して打っているのではありませんし、前進する推進力で肘打ちするものでもありません。ここが他流派と大きく違う点だと思います。

もちろん鋭貫道の肘打ちにはいくつかあり、次の動画のようなものもあります。

これは以前紹介した動画です。頭をガードする動作がそのまま肘打ちになっているので、相手の攻撃を避けながら懐に入るとき、勝手に肘打ちになるというものです。

今回紹介した肘打ちはこれとは別で、鋭貫道の寸勁と同じ発勁を使った、積極的な打ち方です。

身体を柔らかく大きく動かし、全身を使って威力を出しています。

自ら前進する加速度や、相手が向かってくる力を必要とせず、立ち止まった状態からいきなり発勁して打ち込みます。しかも片肘だけの連打が出来ます。

初心者のうちは、止まった状態から、一打一打、形に注意しながら丁寧に行います。

身体を締めて、力を込めて行うのではなく、身体を緩めた状態で、肩甲骨や肩、胸等の可動域を広く取り、自らの体重が肘一点に掛かるように稽古を重ねます。

特に縦軌道は、肘が上にあげられない人が多いため、指導員に補助してもらいながら正しい軌道を描くように稽古します。

この鋭貫道の肘打ちは、必要不可欠な技術ですから、入会した最初からどんどん稽古してもらう事になります。

  

これもまた公開したくなかった技の一つだったのですが…、鋭貫道特有の技ですので…、仕方なく…。

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