武器を触ることで、身体の何が変わるか

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武器の稽古を始めると、最初は「道具の扱い方」を覚えることに意識が向きます。しかし稽古を重ねるうちに、変わるのは武器の扱いだけではないことに気づいていきます。

武器の稽古は、誤魔化せない

素手の動きは、多少ごまかしが利きます。力で押し切ったり、タイミングをずらしたりして、動きの粗さを隠すことができます。ところが武器を持つと、そうはいきません。

釵(サイ)であれば、手の内が緩んだ瞬間に、釵の重さに振られてしまい、動きが乱れます。短棒であれば、体幹で動かす感覚がないと、うまく回すことすらできません。武器は身体の動きを拡大して映し出す鏡のようなもので、誤魔化しの利かない正直さがあります。だからこそ、武器の稽古は身体操作の精度を上げることにつながります。

重さを通じて、体幹の感覚が育つ

金属製の釵はそれなりの重さがあります。その重さを腕の力だけで振り回そうとすると、すぐに疲れてしまいますし、伸びやかに動かせません。体幹を意識しながら稽古を続けることで、自然と重心を落とし、体幹から動かすことを身体が覚えていきます。

短棒も同様です。棒が短いため、体幹の動きでコントロールしなければ、遠心力すら利用できません。武器の重さや慣性が、身体に正しい動きを要求してくるのです。

手の内が変わると、素手も変わる

武器の稽古でわかってくる「体幹の動き」とは、「中心軸と肚」のことです。このブログでも何度か取り上げていますが、武術を行う上で最も大切なところです。

身体の末端を使うのではなく、肚の動きで末端をコントロールする感覚を養っていく。そのとき中心軸をしっかり保つことでブレをなくしていきます。天・地・人を貫く柱が一本立っているイメージですので、力を入れているわけではありません。

武器を稽古することで、素手だけの稽古よりも早く「体幹の動き」を身につけることができます。単なる武器の使用方法の習熟にとどまらず、武術において最も大切な「中心軸と肚」を鍛錬するのに、武器の稽古は最適です。

身体が武器と一体になる感覚

日々稽古をしていると、手が武器に慣れてきます。この武器はこう持ってこんな感じで使う、といったことが、考えなくても手に取っただけでわかります。ここまでくると、振り回すのではなく、身体の動きに武器がついてくる。あるいは、武器の動きに身体が応じる。どちらが先ともいえない一体感が生まれてきます。

これは言葉で説明するより、実際に体験してもらう方が早いのですが、そこまで到達することはたやすいことではありません。

まずは短棒一本から、始めてみてはいかがでしょうか。百円ショップの麺棒で始めることができます。

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