太極棒とは、太極拳の稽古で使用する道具です。
太極棒にはさまざまな形や材質のものがありますが、基本的には、握りやすい普通の棒で構いません。
私が使っているものは、100円ショップで販売されていた麺棒です。太極拳の先生からいただきました。現在100円ショップで売られている麺棒とは少し違い、重量があり、しっかりとした作りになっています。
長年使い込んでいるため、今では100円ショップの麺棒とは思えないほどの風合いになりました。知らない人が見れば、武道具店で購入した稽古道具のように見えるかもしれません。
以前、ブログで短棒の手慣らし動作を紹介しましたが、今回は太極棒を使った稽古だけを取り上げます。
動画自体は、今から八年ほど前に撮影したものです。
太極棒のさまざまな使い方
太極棒には、さまざまな稽古方法があります。
筋力を鍛えるための使い方、太極拳の動作を確認するための使い方、相手の攻撃を捌く動きを練習するための使い方などです。
私は先生から、主に身体の鍛錬と動作確認を行うための、一人稽古用の道具として教わりました。
インターネットでは、太極棒と「氣」を関連づけて説明しているものも見かけます。しかし、私にはそのようなことは分かりませんし、先生からもそのようには教わっていません。
私が教わったのは、もっと具体的な身体の使い方です。
棒を持つことで、手の位置、左右の幅、身体の回転、腕の軌道などが分かりやすくなります。何も持たずに動くよりも、棒が一つの基準となり、自分が何を稽古しているのかを自覚しやすくなります。
また、太極棒には特別な形や材質が必要というわけではありません。
先生も、単なる短い棒でまったく問題ないとおっしゃっていました。高価な専用道具を用意しなくても、長さと重さが適切で、握りやすい棒があれば稽古できます。
道具を持つことで動作が明確になる
一人で稽古をする場合、何か道具を持って動くと、その道具が一つの基準になります。
棒の両端がどこを向いているのか。左右の手がどのような関係になっているのか。身体の回転と棒の動きが一致しているのか。腕だけで動かしていないか。
道具を持つことによって、自分の動作を確認しやすくなります。
太極棒の稽古と、以前紹介した短棒の手慣らし動作を組み合わせれば、少なくとも三十分ほどは、さまざまな一人稽古を行うことができます。
同じ動きを繰り返すだけではなく、持ち方や方向、速度、力の加え方を変えることで、稽古の内容も広がっていきます。
手の内を作る
このような稽古を重ねながら、少しずつ「手の内」を作っていきます。
手の内とは、単に棒を強く握ることではありません。
必要以上に力まず、道具が手の中で暴れないように扱うこと。動きに応じて握りを微妙に変え、全身の力を道具へ伝えること。腕や手だけではなく、身体全体と道具をつなげることです。
太極棒は、一見すると単なる短い棒です。
しかし、単純な道具だからこそ、ごまかしが利きません。身体の使い方がそのまま棒の動きに表れます。
こうした稽古を続けることで、棒だけではなく、手に取った物を武器として扱うための素地も作られていきます。
特別な道具や複雑な動作がなくても、身近にある一本の棒から学べることは数多くあります。
太極棒は、太極拳の身体操作を確認し、手の内を作り、武器を扱うための基礎を身につけることのできる、優れた一人稽古の道具だと思っています。
雙武會は、厚木市・愛川町を中心に活動しています。相模原市、海老名市、座間市、平塚市、伊勢原市などからもご参加いただけます。
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