四十代後半から五十代にかけて、身体に起きる変化を感じ始める方は多いと思います。疲れやすくなった、眠りが浅い、気分が落ち込みやすい、ほてりや発汗が気になる——こうした症状の多くは、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することで、自律神経のバランスが乱れることから起きると言われています。更年期は病気ではありません。ですが、何も対処しなければ、日常の質が大きく変わってしまうことも事実です。
この時期に有効だと、多くの研究で報告されているのが「適度な運動習慣」です。産婦人科の医療機関でも、適度な運動習慣のある女性は更年期障害が軽く、精神症状・筋力・平衡感覚・認知機能などの改善がみられると報告されています。また、国内外の研究で、ウォーキングや水中歩行といった有酸素運動によって更年期症状の重症度が運動前に比べて明らかに改善したという結果も出ています。
ただし、この時期の身体はデリケートです。「若い頃と同じように動けるはず」と無理をすると、かえって疲労が蓄積してしまいます。更年期以降の身体に必要なのは、激しく追い込む運動ではなく、無理なく継続できる、身体に寄り添う動きです。
雙武會の陳氏太極拳クラスは、そういった方に特に合っていると思っています。
太極拳はゆったりとした動作のなかで、重心の移し方・呼吸・身体感覚を統合しながら動く武術です。関節への負担が少なく、激しい動きを一切必要としません。それでいながら、深くゆったりした呼吸を繰り返すことで自律神経が整い、全身の血流が促進されます。バランス感覚を継続的に使う動きでもあるため、更年期以降に低下しやすい平衡感覚の維持にも効果があるとされています。
競い合うことなく、自分の身体と向き合う時間——これが陳氏太極拳の稽古の本質です。数値や成果を追うのではなく、今この動きのなかで自分の重心はどこにあるか、呼吸は整っているか、身体のどこかに余分な力が入っていないかを感じ取る。その集中が、日常の姿勢や動作を少しずつ整えていきます。
一方、「身体をもう少しアクティブに動かしたい」「武術に興味があるが、初心者でも大丈夫か」という方には、鋭貫道をお勧めしています。
鋭貫道は、力任せではなく重心と呼吸を使って動くことを基本とする護身武術です。無理に筋力を使う動きではないため、身体への過剰な負担がありません。更年期以降、エストロゲンの減少により骨密度の低下や筋肉量の減少が進みやすくなりますが、適切な強度の運動習慣はこれらの予防に有効だとされています。鋭貫道の稽古は、こうした身体の土台を整えながら、同時に護身の技術を身に付けていく過程でもあります。
どちらの稽古も、少人数でじっくりと取り組む環境を整えています。体験は二回まで無料でご参加いただけます。見学のみも歓迎いたします。まずは一度、お気軽にお越しください。
