「肝心要(かんじんかなめ)」(肝腎要)という言葉があります。
皆さんもご存じの通り、何よりも大切な部分、物事の最も重要なところを表す言葉です。
「要(かなめ)」とは、扇子の骨を根元で留めている部分のことでもあります。そこを中心として扇が開き、外れてしまえば扇子として成り立ちません。
また、「要」という字は、もともと人の腰を表した字だといわれています。
つまり、腰は昔から身体の中心であり、全体を支える重要な場所として捉えられていたのでしょう。
私は「肝心要(肝腎要)」という言葉を、肝臓、腎臓(または心臓)、そして腰という、人間が生きていく上で欠かすことのできない部分を表した言葉のように感じています。
これは辞書に書かれている語源とは別に、武術を通して身体を見てきた私なりの解釈です。
働く時だけでなく、遊ぶ時にも腰を使う
昨日の記事では、腰の強さは武術だけでなく、農作業や瓦礫の撤去をはじめとする肉体労働、そして日常生活にも欠かせないということを書きました。
しかし、腰が大切なのは、働く時や不測の事態だけではありません。
遊ぶためにも、腰の力は必要です。
実は今日、海水浴へ行ってきました。
私はボディボードを遊び程度にやっています。今日は残念ながら波がほとんどなく、思うようには楽しめませんでした。
それでも、ボードに寄り掛かりながら波間に浮いているだけで、意外と体力を消耗します。
海から上がり、家に帰ってからも、ラッシュガードや海水パンツに入り込んだ砂を落とし、道具を洗い、洗濯を済ませる頃には、かなり疲れていました。
そんな時にも、やはり腰の大切さを感じます。
楽しんでいるうちに身体が鍛えられる
私の知人に、ほぼ毎日のように海へ行くサーファーがいます。
特別に筋力トレーニングは全くしていないそうですが、腹筋ははっきりと割れ、身体全体も引き締まっています。
波に乗るためには、不安定な足場で姿勢を保ち、全身を使ってバランスを取らなければなりません。そのため、楽しんでいるうちに、腹や背中、足腰が自然と鍛えられていくのでしょう。
「筋トレをしなければならない」と自分を追い込まなくても、「波に乗りたい」「もっと上手くなりたい」と思って続けていれば、結果として身体が強くなっていきます。
私にとっての武術も、それと同じです。
武術が好きで、稽古そのものが趣味のようなものですから、身体を鍛えなければならないと考える前に、毎日動いています。
もちろん、腰を鍛えるための鍛錬方法も知っていますし、日々続けています。
武術オタク、稽古オタクの私ですから、一般的な人よりは足腰も体力も鍛えられている方だと思います。
それでも、年に1、2回ほどしか行かない海でボディボードをすると、しっかり疲れます。
遊ぶことにも、想像以上の体力が必要なのです。
楽しむためにも、身体を整えておく
海水浴に限りません。
登山、キャンプ、釣り、旅行など、屋外で楽しむ遊びは、普段の生活よりも多くの体力を使います。
楽しい間は夢中で身体を動かせますが、帰宅した途端、疲労困憊ということもあるでしょう。
遊びに出掛けても、すぐに疲れてしまう。
腰や膝が痛くなり、思うように動けない。
帰ってから何日も疲れが残る。
それでは、せっかくの楽しみも十分に味わえません。
普段から腰を含めて身体を鍛えておけば、災害や不測の事態に備えられるだけでなく、遊びや趣味も、より長く、思い切り楽しむことができます。
身体を鍛えることは、苦しいことに耐えるためだけのものではありません。
やりたいことをやるため。
行きたい場所へ行くため。
好きなことを、いつまでも楽しむため。
その土台となるのが、やはり腰なのだと思います。
仕事をするにも、誰かを助けるにも、遊びに出掛けるにも、腰は欠かせません。
何をするにしても、腰は大事なのです。
腰を鍛える具体的な方法は、陳氏太極拳の中にあります。
雙武會は厚木、愛川町で稽古しています。もし興味がありましたら、是非一度体験にお越しください。2回まで無料で体験出来ます。


