以前、自分の稽古用に蹴りの動作を撮影していた時期がありました。
姿勢は良いか、蹴りの軌道は適切か、先生の動きとどこが違うのか――そうした点を確認するために、自分の動作を撮影して客観的に見直していました。
ビデオを撮影して自分の動きを確認することは、とても良い方法だと思っています。
型稽古では鏡の前で練習することもありますが、私は動画や写真で確認する方が効果的だと考えています。鏡に映る姿は左右が反転しているため、それを基準にすると認識にズレが生じる場合があります。本来は身体の内的感覚を育てながら動きを身につけるべきですので、撮影した動画や写真を見て修正する方が習得も早いように感じます。
さて、この当時は擺脚(はいきゃく)を研究していました。どのように蹴れば素早く脚が上がるのか、威力は出ているのか、形は美しいか――そうした点を確認していたのです。
擺脚について簡単に説明します。ここでいう擺脚は、陳氏太極拳の套路に出てくる技法です。
擺脚は、空手でいう内回し蹴りにあたります。鋭貫道でも指導の際は「内回し蹴り」と呼んでいます。
右足で蹴る場合、足を引き寄せた時点では足裏(母指球)が地面との摩擦で止まっています。股関節を少し曲げ、体重で軽く押さえているような状態です。そこからその押さえを外すことで、足が自然に蹴り出されます。
また、右足を引き寄せる際には身体をわずかに左へ捩じっています。このとき右足のつま先は左を向いています。押さえを外すと右足はいったん左側へ上がり、身体は捩じった分だけ右へ戻ろうとします。その結果、蹴り上がる脚は自然に左から右へと内回しの軌道を描きます。
つまり、自分で無理に脚を回しているというよりも、最初に作った捩じれが戻ることで、結果として回転運動が生まれているわけです。
このあたりのコツを知っておくと、よりやりやすくなるでしょう。
おまけとして、他流派の蹴りも二つ紹介しています。
一つは沖縄小林流空手のクーサンクー大に出てくる、終盤の二段蹴りです。大きな動きなので見栄えが良く、動画ではかなり頑張って高く蹴り上げています。
もう一つは天神明進流柔術で学んだ高蹴りです。名前の通り高い位置を蹴る技法で、稽古では天井からピンポン玉などを吊るし、それを蹴る練習をします。
この蹴りは脚の軌道を山なりにするように教わりました。つまり前方へ体重を乗せながら蹴るということです。蹴った脚を素早く引き戻すタイプの蹴りではありません。
皆さんの蹴りの練習の参考になれば幸いです。
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